OB・OGの「今」

診療放射線技師

谷 友理奈さん

大阪急性期・総合医療センター
(保健学科19期卒)

2020年3月現在

現在の業務について教えてください。

アンギオ室、Hybridオペ室で勤務しています。
アンギオ室では画像診断科、心臓内科の検査・治療に携わります。
Hybridオペ室は2部屋あり、1部屋は心臓外科・内科が使用し、技師が携わるのはTAVI、TEVAR、EVARなど。もう1部屋は脳神経外科が診断造影から血管内治療にまで使用するため全例携わります。
若手は現状4ヵ月に1度ローテーションがあり、他にレントゲン・TV内視鏡、CT、MRIをくるくると回っています。

今の職業を選んだ理由を教えてください。

幼い頃から人と接するのが好きで、医療系か教育系へ進もうと思っていました。
進路を考えていたころに東日本大震災が起き、福島第一原発の放射性物質放出について連日マイナスなニュースが流れる中、医療では放射線はこのように有用に使われていると書かれた記事を見て興味を持ち、家族や知り合いからも検査の際、女性技師が居てくれたらいいのにと感じるという意見を聞き、将来役に立てるのではと思い進路に選びました。

現在の職場を選んだ理由を教えてください。

いくつか見学へ行かせていただき、以下の点から今の職場を選びました。

  • 業務が忙しい職場の方が性格的に合うと感じたこと
  • 1次から3次救急まですべて受け入れ、IVR-CTを備えた初療室があること
  • 各モダリティをローテーションで回ることができること
  • 当直を除き、完全週休二日制であること

仕事のやりがい・課題・エピソードなどご紹介ください。

目指したきっかけでもある「女性の技師が居てくれて良かった」と言ってもらえたとき、また「今日は検査が楽に感じた」と患者さんに言ってもらえたり、前より撮影時間も短く、良い撮影ができたときにやりがいを感じます。
課題としては、後輩や実習生を教える立場にも少しずつなってきて、人に聞かれて説明することで改めて深く理解できていない分野が明るみになり、まだまだ勉強が必要だと感じることです。医療機器も日々進化を遂げていて、学ぶことは尽きません。
2018年の秋に、初めて学会発表を行いました。業務が終わってから納得がいくまで実験を繰り返し、スライドを修正し、当日かなり緊張しながらも思うような発表ができ、結果、新人奨励賞まで頂けて苦労が報われ嬉しかったです。

学生・後輩へメッセージ

学部卒で病院へ就職したので、その道を目指す方に向けた偏ったアドバイスになるかもしれませんが、せっかく大学受験のときに英語を勉強しているので学生の間も定期的に継続することをおすすめします。今後学会でも英語発表が当たり前になっていく風潮なので、ぜひ。

病院という場所は想像以上に様々な人との関わりが多く、常にコミュニケーションが必要な場所です。こちらの声かけひとつで検査がうまくいく、いかないが決まることもあります。学生のうちに部活やサークル、アルバイト、ボランティア、なんでもいいので老若男女問わず多くの人と出会いコミュニケーション能力を身に付けることが大切だと思います。

社会人になってもやろうと思えば何でもできると思いますが、10日を超える長期休みを頂くことはほぼ不可能なので長期の旅行が好きな方はぜひ学生のうちに行っておきましょう。

気ままな大学生活とは打って変わって、社会は厳しいです。慣れるまでは今まで感じたことのないストレスや体調不良に悩まされることも多々ありました。自分なりのストレス解消方法を見つけておくことが大事だと思います。
また病院は放射線技師をその年に1人しか採用しないことも多いため、同期がいないことも大いにありえます。そんなときに大学時代の友人は、卒業してからも仕事の悩みを共有でき、支え合える大切な存在です。また総合大学ゆえ、自分の専攻以外にもたくさん友人ができ、視野が広がり、将来どんな道に進もうとも、きっと役に立つことがあると思います。
4年間長く思えてあっという間に過ぎ去ってしまったので、後悔のないよう充実した学生生活を送ってください。

プロフィール

  • 2016年3月
    大阪大学医学部保健学科放射線技術科学専攻 卒業
  • 2016年4月
    大阪急性期・総合医療センターに診療放射線技師として勤務

2020年3月現在