学生さんお役立ち情報

大阪国際がんセンター

大阪市中央区(最寄駅:地下鉄「谷町四丁目」駅)
病床数:500床
https://oici.jp/center/

病院概要

放射線技師人数
54
男女比
男性39名
女性15名
年齢構成
~30歳23名
31~45歳19名
46~60歳7名
60歳~3名

(2021年8月現在)

保有モダリティ

一般撮影装置3台全室立位・臥位FPD、miniサイズ完備
乳房撮影装置2台トモシンセシス仕様1台、バイオプシー仕様1台
TV透視台3台トモシンセシス専用装置1台を含む
CT装置7台IVR-CT1台、AI専用1台、
治療計画用1台、RALS専用1台を含む
MRI装置3台1.5T:1台、3.0T:2台
血管撮影装置2台OPE室に外科用イメージ2台
心血管撮影装置1台バイプレーン仕様
骨密度1台
パントモ1台デンタルは歯科診察室にあり
ポータブル4台ICU1台、OPE1台、病室2台
SPECT装置1台
治療5台リニアック4台、RALS1台
救急部門
なし
当直人数(夜勤・日祝日勤務含む)

1人/日
約1.5回/月

  • 土日は半日直1名あり
  • 土曜日CT・MR検査あり
学会参加
研究活動支援
あり
学会参加

発表者は全額公費、参加のみは一部公費。

研究活動支援

費用:一部基金等あり
時間:一部あり

レクリエーション

技師室としてのイベントは、大阪城公園花見・新人歓迎会・夏の集い・忘年会等飲み会を開催。

施設アピールポイント

大阪国際がんセンター(新センター)は、2017年3月に豊臣大阪城・惣構の外側(東成区、森之宮地区)から、同・三の丸の内側(中央区、大手前地区)へ移転をしました。本丸の近くとあって、センター内のいたるところで天守閣が目に入ります。スタッフ用更衣室へ向かうラウンジ(通称:キャッスルラウンジ)からは、朝は朝日を背にした天守閣を、夕刻は西日を浴びた天守閣を、夜はライトアップされた天守閣を眺めることができ、太閤さんに見守られながら日々心強く仕事に励んでいます。春には大阪城公園内外の満開の桜を見下ろすことができます。

大阪府立成人病センター(旧センター)は「森之宮」駅から徒歩3分と抜群のアクセスを誇っていました。一方、新センターは地下鉄「谷町四丁目」駅から徒歩5分と若干距離は延びたものの、地下通路を通ってセンターへ入ることができます。悪天候の日にも通院・通勤が快適になりました。「天満橋」駅からも徒歩圏内であり、京阪電車を利用したアクセスも可能です(こちらは地下通路が整備されておりませんので、雨天時には濡れますのでご了承ください)。

旧センターは国内初の生活習慣病専門の医療機関として昭和36年に開院し、主に高血圧、心臓疾患、がんなどの成人病の予防、早期発見およびこれらの調査、研究を行ってきました。50年の流れの中で、現在は事務局・病院・研究所・がん対策センター(昭和37年から大阪府および院内のがん登録事業を行っている)で構成されており、がんに特化した病院として都道府県がん診療拠点病院に位置付けられ、特定機能病院の認定も受けています。診療科も頭頸部外科や血液内科、骨軟部腫瘍科、放射線腫瘍科、腫瘍循環器科、腫瘍皮膚科、栄養腫瘍科、心療・緩和科といった、がんセンターならではの診療科名が並びます。新センターになり、外来診察室、手術室の部屋数、外来化学療法室、ICU、HCUのベッド数も増加し、より多くの症例に対応出来るようになりました。

当センターの歴史

  • 昭和36年4月
    「がん」部門病床数29床で開院し、同年には世界初の遠隔操作方式によるX線TV装置を島津製作所と共同開発しました。X線TV装置の普及のために特許取得をしなかったと聞いております。私が入職した平成9年にはまだTV装置が5台(実稼働4台)あったのを覚えています(現在は2台)。
  • 昭和53年4月
    新館が開院し、日本初の放射線情報システム(TOSRIS)を稼働させました。
  • 昭和54年6月
    病床数が現在と同じ500床になりました。
    胸部集団検診車、4切サイズロールフィルムの胃集団検診車等も稼働させました。
  • 平成8年
    車載型CT検診バスを稼働。このCT検診バスは、東北東日本大震災の時には、岩手県へ放射線技師1名とともに赴き、被災地での検査の支援をしました。
  • 平成10年
    MR棟を新設し、業務を開始しています。
  • 平成13年頃
    PACSを導入し、CT・MRの画像保管を開始しました。この段階ではフィルム出力も並行して行っていました。
  • 平成18年
    地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪府立成人病センターとなり、5つの府立病院が力を合わせることになりました。
  • 平成21年2月
    特定機能病院認定
  • 平成23年
    電子カルテ導入
  • 平成25年
    完全フィルムレス化を開始
  • 平成27年3月

    Quick-In外来全診療科にて開始

    〈 Quick-In外来 〉
    患者さんが来院されてから治療までの日数をできるだけ短くするために多職種チームで取り組む、大阪国際がんセンター独自の新しい外来診療システムです。診療前に医師が指示した検査を受け、初診当日により早く、より確かな入院治療の方針を聞くことが出来るシステムです。放射線診断としては、X線一般撮影はもちろんQuick-In CTとして、当日に緊急で予約無しで受けています。
  • 平成29年3月25日
    大阪国際がんセンター開院

世界で初めてX線TV装置が稼働したのは当センターでした。世界に先駆けた取り組みを行い、がん対策の実践を名実ともに国際レベルへ向上すべく、さらなるスパイラルアップを目指して名称も今回の移転を機に「大阪国際がんセンター」となりました。アジア各国との医療提携も進めているようです。近い将来、海外からの放射線技師の留学の受け入れや交換留学も実現するのではと期待しています。

放射線診断・IVR科の紹介

放射線診断・IVR科は3階のほぼ半分を占めるエリアにあります。新センターになり、最大の改善点と思われるのが、放射線診療系の各部門が一区画にまとめられたことです(旧センターでは、血管造影検査室とMRI検査室が離れた場所にあった)。全体として患者さんの流れやスタッフの配置を把握しやすくなり、スタッフ間の情報共有や、勤務の交代・応援などがスムーズに行えるようになったと感じます。しかし、一区画にまとまった利便性の反面、稼働台数が増えた部門もあるため、来科する患者さんの絶対数の増大と集中が予想され、その混雑を避けるための患者動線を考えることには難渋しました。設計図の図面と脳内のシミュレーションでは想像できない落とし穴もありましたが、一つずつ、少しずつ解決・改善しながら何とか落ち着いてきました。

当科は放射線技師32名(再任用・非常勤含)が勤務しています。モダリティ責任者は配置されていますが、全員がほぼすべてのモダリティをローテーションで担当します。当直業務もあり、一人体制で行っています。救急病院ではないので1次・2次・3次といった救急対応はありませんが、当センターにかかっている患者さんが急変した場合の、いわゆる「がん救急」の受け入れはしています。入院患者が急変した場合の検査や、がん性の出血に対する緊急IVRも少なくはありません。

稼働中の装置は前述した通りですが、そのうち一般撮影装置:1台、汎用血管造影装置:1台、CT装置:2台、MRI装置:3台、乳腺撮影装置:2台、X線TV装置:1台、ポータブルX線撮影装置:1台、外科イメージ:1台、歯科撮影装置:1台が新規で導入され、これまで使えなかった新しいプロトコールや撮影技術が搭載されています。診断と治療の質を高めるためにも、それらを使いこなして、検査の幅を広げることが我々放射線技師に求められているとプレッシャーをひしひしと感じています。

一部の装置を紹介したいと思います。

一般撮影部門

胸部専用撮影室がなくなり、3室全てに立位臥位FPD対応の一般撮影装置が完備されました(富士2台、島津1台)。仮想グリッドも全室で使用可能で、今後は全身のあらゆる撮影に仮想グリッドを適用する構想はあり、ハンドリングの改善とスループットの向上が期待されます。

MRI部門

今回の移転で、MRIは装置の総入れ替えが実現しました。中でも、ハイスペックな3T装置(Prisma、SIEMENS)では、64chのHead-Neckコイルを導入しており脳神経外科領域の撮像に高い評価をいただいています。マルチスライス同時励起(Simultaneous Multi-Slice : SMS)を使用することでDTIやNODDIなどの検査をより高精細に、より短時間で施行できるようになりました。その他にも複数の新しいシーケンスが使用可能となり、これまで以上に画像診断に貢献できることが期待されます。

ここ数年で両診療科とも若い技師が増えてきました。研究会やセミナー、学会へも意欲的に参加しています。先輩技師が培ってきたものを教わると同時に、新しい技術や見聞を取り入れることで更にスキルアップしていくことを期待しています。学会への演題投稿も推奨されており、国内の学会だけではなくRSNAやISMRM、ASTROといった世界的にも名高い学会で発表する技師もいます。新しい環境となり、新しい装置や撮像技術も導入されたこの機会に、これまで経験のない若手技師も、日常の業務だけではなく、検討や研究といったプラスアルファの部分にもエネルギッシュに取り組んでもらえたらと思います。
その意欲と結果が患者さんへ還元され、大阪~関西~日本~アジア~世界へと繋がる一端を担うことを目指して「大阪国際がんセンター」診療放射線技師一同、一丸となって務めたいと思います。

筆者:診療放射線技師長 山根 康彦(医短23期)
総括主査 宮﨑 将平(保健学科6期)

放射線腫瘍科の紹介

はじめに

大阪国際がんセンター放射線腫瘍科は、放射線治療を用いてがん患者さんを支えております。新病院に移転してから、患者数は順調に増加していまして、2018年の年間患者数は1900名を超え、6割近い患者さんに対して、高精度放射線治療を実施しております。2019年12月には定位放射線治療用リニアックが稼働しました。より多くの患者さんに放射線治療を受けていただくための準備を進めております。

外部照射

2017年3月から3台のリニアック(TrueBeam 2台、TrueBeamSTx1台)、2019年12月から4台目のリニアック(Edge)が稼働しています。特徴としては、4台のTrueBeamで出力されるX線・電子線は同一なものが出力されるように管理しており、故障時にそれぞれがバックアップできる体制を整えています。そのため、故障による休止がほとんどありません。
働く人がより放射線治療を受けることができるように、9時から10時と17時から19時半までの時間帯を設けて就労支援も実施しております。さらに女性技師の増加に伴い、15時から16時まで1台のリニアックで女性患者用の女性技師枠を運用しております。
2019年の1年間の実績では総患者数1897名、そのうち高精度放射線治療を受けた患者数871名です。

頭部定位放射線治療

頭部に対する定位照射の重要の上昇に合わせて、2019年5月より、頭部定位放射線治療用システムであるHyperArcを臨床導入しております。HyperArcは多い日で、1日に3名の患者さんに実施しています。積極的な臨床導入を進めています。

スタッフ

安全で正確な放射線治療を施行するためには様々な場面で人員が要求されます。総スタッフ数36名であり、そのうち診療放射線技師22名(内 医学物理士資格保有9名)医師6名、看護師9名です。放射線技師は治療計画・高精度な患者ポジショニング・治療装置およびデータの管理等それぞれの場面で、中核を担っています。それぞれが責任をもって仕事に取り組んでおり、既存の方法に満足せず常に改善を目指して取り組んでいるのが特徴です。新病院に移転してからは、中堅だけでなく若手も論文に積極的に取り組むようになっております。2019年のこれまでに、入職3年目以内の技師2名の論文が採択されております。科全体で診療に加えて研究活動にも積極的に取り組む姿勢が構築されております。

最後に

今後も目の前の患者さんに正確かつ安全な放射線治療を提供することはもちろん、放射線治療に関わる技術についてより優れた方法を開発・考案して世界に発信してきます。当科スタッフ一丸となって邁進していく所存でございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

筆者:統括主査 上田 悦弘(保健学科8期)